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僕の受験             R.N(高1) 

R君は鳥や昆虫の大好きな少年でした。中2の時、動物コースのある都立高校のことを知り、5教科プラス内申点というハードルに、ひたむきな努力を重ねてきました。
周りの人たちは「無理しないでいい」とか「高望みはさせないほうが」とか、ハラハラして見守ってきましたが、R君の高校入学への気持ちは変わることはありませんでした。「常に頑張らなくていいけど、ここ1番で頑張れる子になってほしい」とコピエっ子に私は必ず言います。これは、R君の【ここ1番】のお話しです。

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僕は先月、都立の一般受験を受け、無事に第1志望校に合格することが出来ました。今回は僕が不登校になってからの5年間で得たことについて話したいと思います。
僕は5年前、小学校5年生の春から学校に通うのをやめ、コピエにお世話になるようになりました。中学校に進学しても、同級生からのささいなからかいに耐えられず、入学してから3日で通うのをやめてしまいました。そして、受験生として勉強を頑張った今年1年の努力も入試当日には反映されず、雑念がたくさん浮かびテストに集中できず、翌日自己採点した結果も最悪でした。それでも合格発表の日に、自分が合格していると分かったときは、母と二人で本当に喜び、それまでの5年間のことなど一瞬でどうでもよくなりました。そして何より、「あぁ、僕は僕でよかったんだ」と思えました。その後は、卒業前の2週間だけ中学校の自分のクラスに入ることが出来ました。当然、僕と気が合わなそうな人、僕につっかかってくる人もいました。それでも、逆に、僕に明るい言葉をかけてくれる人、毎日挨拶をしてくれる人もいました。3年前の僕だったら、同じ学年、同じクラスに、気の合わない人、自分につっかかってくる人がいたら、すぐに学校に通わなくなっていたと思います。思えばあの頃は苦手な50%の人たちに焦点を当てすぎて、残りの50%、自分に優しい声をかけてくれる人の存在に気が付かなかったのかもしれません。僕の行くところすべてに、気の合わない人、苦手な人は存在しました。そのつど、僕はその人の言動に傷つき落ち込んだりしました。この3年間、僕は自分のことをからかった同級生のことが憎くてたまりませんでした。卒業前の2週間、クラスに入ると決めてからも、その同級生にあうんじゃないかと心配でした。それでも、いざクラスに入ってみると、クラスのほとんどの人が僕を温かく迎えてくれて、想像以上に最後の2週間を楽しむことが出来ました。「手紙」という曲があります。その曲の1節で「いつの時代も悲しみを避けては通れないけれど笑顔を見せて今を生きていこう」とあります。「本当にその通りなんだなぁ」と思います。どんな場所にも苦手な人、気の合わない人は存在する。大事なのは、苦手な人がいるからその場所から逃げるのではなく「苦手な人なんてどこに行っても存在する」と前向きに考えることです。
また勉強の話に戻ります。僕はよく教育関連の本とかに書かれている、自分らしく生きるとか、自分らしく輝くという言葉の意味がよくわかりませんでした。「自分らしい」というのは何なのか自分でもわかりませんでした。しかし最近思うのは、「この上なく嫌いだった勉強を1年間頑張って続けられたのは自分の根性のおかけだったんだなぁ」ということです。その根性こそ自分の長所であり、自分らしさなんだと思うようになりました。高校受験、中学のクラスへの復帰と、この1年間は大変なこともあったけれど、結果的に自分の長所も見つけられ、少し広い心を持つことが出来たので、この1年間はとても意味のあるものだったと思います。現コピエっ子のみんなも、高校受験に限ったことではないけれど、今何かやり遂げたい目標があるのなら、その目標に向かって少しでも多くの努力をしてほしい。自分のペースでゆっくり歩むのもいいと思う。でも「自分にとって全力で突っ走るときは今なんだ」と少しでも思っているなら、その気持ちを実現させてみるのも一つの手段だと思う。時には精いっぱいの努力をしても結果がついてこない時もある。でも大丈夫。自分にできる限りの努力を精一杯やった後には「あぁ、僕は僕でよかったんだ」と思える日が必ず待っているから。    (2017・MAY)
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